公開・更新日:2026年08月14日
台湾ブランドが日本市場へ進出する7つのステップ
日本進出は、会社設立や代理店探しから始める必要はありません。最初に日本で解決する顧客課題と採算条件を定め、規制、価格、販路を確認し、小さな販売・商談で検証します。7つの判断を順番に行うと、資料作成や候補企業探しが目的化するのを防げます。
執筆
KEI TAKAHASHI 株式会社SERENSEED 代表取締役。日本の上場半導体専門商社で台湾製Wi-Fiチップの日本大手メーカーへの導入を推進し、台湾ではTIL spaceを創業。
この記事の結論
- 日本の顧客課題と成功・中止基準を決めてから調査する
- 輸入・流通費を含む日本価格と、販路ごとの利益構造を作る
- 代理店契約の前に、商談・展示会・テスト販売で需要と運用を検証する
ステップ1:日本で解決する顧客課題を一つに絞る
台湾での人気をそのまま説明するのではなく、日本の誰が、どの場面で、何と比較し、なぜ購入するかを仮説にします。B2C、業務用、代理店向けでは顧客と意思決定者が異なります。
売上だけでなく、商談数、サンプル評価、再注文、粗利益など検証指標と期間を決め、進む・修正する・止める基準を先に置きます。
ステップ2:市場・競合・買主の一次情報を集める
市場規模、検索需要、価格帯、競合、売場、口コミ、輸入統計を調べたうえで、日本の顧客、バイヤー、業界関係者に聞きます。公開情報だけでは、採用を止める条件や社内決裁を把握できません。
調査結果は資料集ではなく、顧客、価格、販路、商品仕様についての意思決定表にまとめます。
ステップ3:商品法規・表示・知的財産を確認する
商品コード、用途、材質、成分、電気仕様に応じて、輸入許可、検査、表示、広告表現を確認します。商標、商品名、パッケージ、説明書も日本で使用できるかを確認します。
規制確認が終わる前に大量印刷や量産を進めると、表示修正や販売延期が発生します。必要に応じて行政機関、通関業者、弁護士等の専門家へ確認します。
ステップ4:日本の販売価格と利益構造を設計する
台湾出荷価格だけでなく、国際物流、関税・税、輸入、倉庫、卸・小売マージン、EC手数料、返品、販促、為替を含めて価格を計算します。
希望小売価格から逆算し、各販路で自社と日本側パートナーに必要な利益が残るかを確認します。価格が合わなければ、仕様、梱包、数量、販路を調整します。
ステップ5:販路とパートナーの役割を決める
輸入者、卸、販売代理店、小売バイヤー、EC運営、営業支援の役割を区別します。何を任せ、自社が何を担うかを決めてから候補を探します。
候補企業には一斉送信ではなく、相手の顧客・売場と自社商品の適合理由、価格帯、最低発注量、希望する次の行動を日本語で伝えます。
ステップ6:展示会・商談・テスト販売で検証する
限定店舗、少量卸、予約販売、展示会、買主面談など、仮説に合う方法を選びます。値引きだけで売れた結果と、通常価格で再注文された結果を分けて評価します。
問い合わせ、商談理由、辞退理由、販売速度、返品、説明の難しさ、物流を記録し、商品・価格・販路のどこを直すか判断します。
ステップ7:契約と実行体制を小さく整える
販売地域、販路、価格、発注、支払い、在庫、販促、知的財産、保証、返品、顧客情報、契約期間、解除条件を整理します。独占は最低購入量と実行状況を確認してから検討します。
輸入、倉庫、顧客対応、営業、会計、法務の担当を決め、月次で商談・売上・利益・在庫・課題を確認します。実績に応じて販路と投資額を段階的に増やします。
実務ケース
実務モデル:90日で日本市場を検証する
台湾ブランドが日本法人や独占代理店を先に決めず、90日で需要と採算を検証する想定例です。
費用構成例
- 第1段階:市場・競合調査と日本の買主ヒアリング
- 第2段階:日本語営業資料・法規・表示の確認
- 第3段階:優先候補20社への個別提案
- 第4段階:サンプル、テスト販売または展示会で検証
必要書類
- 商品仕様・価格・MOQ・納期
- 認証・規制・表示の確認資料
- 日本語1ページ営業資料
- 優先候補企業リスト
- 成功・修正・中止の判断基準
失敗を防ぐ確認
- 同じ営業文を多数の企業へ一斉送信する
- 日本での実績確認前に独占代理店契約を結ぶ
- 輸入・流通費を含む日本販売価格を計算していない
90日は一般的な保証期間ではなく、仮説検証の設計例です。商品規制や商談周期に応じて期間と予算を調整します。
日本進出計画に必要な情報
- 会社・ブランド概要
- 主力商品と日本での想定用途
- 台湾・海外での販売実績
- 原価・希望価格・最低発注量
- 商品仕様・成分・認証
- 生産能力と交期
- 日本で会いたい顧客・買主
- 検証予算・時期・成功基準
費用を左右する主な項目
- 市場・競合調査
- 日本語資料とローカライズ
- 候補企業への連絡・商談
- 専門家や現地パートナーとの連携
よくあるご質問
日本法人を設立してから市場調査すべきですか?
必ずしも必要ありません。顧客、価格、規制、販路を小規模に検証し、必要な契約・雇用・拠点の条件が見えてから設立を判断できます。
日本の総代理店を最初に探すべきですか?
日本実績がない段階では、小量卸、サンプル評価、テスト販売で双方の実行力を確認してから独占範囲を検討する方が安全です。
日本進出にはどのくらい期間が必要ですか?
商品法規、資料準備、販路、展示会日程で変わります。まず8〜12週間程度の調査・準備・初期商談を設計し、その結果から次の期間を見積もります。
SERENSEEDは売上や代理店契約を保証しますか?
いいえ。市場調査、候補探索、日本語連絡、商談、展示会、テスト販売の実行を支援しますが、売上や契約成立は保証できません。
確認先・参考情報
制度や輸出入条件は変更されるため、実際の手続きでは各機関・専門事業者の最新情報をご確認ください。