公開・更新日:2026年07月28日
台湾投資家が日本へ投資する方法
「日本へ投資する」といっても、不動産賃貸、企業への出資、特定事業への投資、共同経営、事業承継では、収益源、投資家の権利、必要な関与、換金方法、損失リスクが異なります。目標利回りから案件を探す前に、どの収益を取り、どのリスクと運営責任を負えるかを決めます。
執筆
KEI TAKAHASHI 株式会社SERENSEED 代表取締役。日本の上場半導体専門商社で台湾製Wi-Fiチップの日本大手メーカーへの導入を推進し、台湾ではTIL spaceを創業。
この記事の結論
- 不動産・事業投資・共同経営を、利回りだけでなく収益源と換金方法で比較する
- 8%を求める場合は、高い収益の理由と元本損失・運営・出口リスクを確認する
- 契約前に日本・台湾の登録事業者と法務・税務・会計の専門家へ確認する
結論:最初に投資対象ではなく収益と権利を決める
賃料、配当、利益分配、役員報酬、事業価値の上昇、売却益は性質が異なります。何から収益を得るのか、投資家に議決権・情報権・担保・優先権があるかを確認します。
想定利回りは前提条件で変わり、元本・利回り・分配・売却価格を保証するものではありません。為替を含む損失と資金拘束を許容できる範囲を先に決めます。
方法1:日本不動産へ投資する
現物不動産では賃料と売却が主な収益源です。価格、表面・実質利回り、空室、修繕、管理、税、災害、借入、為替、売却期間を確認します。
日本不動産研究所の2026年4月調査では、東京城南の賃貸住宅期待利回りはワンルーム3.6%、ファミリー3.7%でした。個別物件とは異なりますが、主要都市の安定型物件で8%が一般的とはいえません。
方法2:日本企業・成長事業へ出資する
株式等への出資では、事業の利益成長、配当、企業価値の上昇や売却が収益源になります。売上だけでなく、粗利益、固定費、資金使途、競争、経営者、株主構成、追加資金、退出条件を確認します。
不動産より高い収益を目指せる場合もありますが、業績悪化、追加出資、希薄化、元本毀損、売却困難のリスクがあります。未上場投資は市場価格がなく、換金時期を自分で決められないことがあります。
方法3:特定事業・共同経営へ参加する
店舗、新規サービス、輸出入、地域事業など特定事業へ資金と知見を提供し、利益分配や持分価値を得る形です。台湾側の販路や調達力を生かせる場合、投資家の役割が価値になることがあります。
出資、融資、匿名組合、共同事業契約など法的形態により権利・規制・税務が変わります。誰が経営判断をし、赤字・追加資金・撤退・知的財産・顧客情報をどう扱うかを契約前に決めます。
方法4:事業承継・企業取得を検討する
株式または事業を取得し、既存の顧客、従業員、技術、許認可、取引関係を引き継ぐ方法です。ゼロから始めるより早い一方、簿外債務、契約、労務、税務、設備、顧客依存の確認が必要です。
経営を任せるのか、自ら関与するのか、日本側責任者を置くのかで必要体制が変わります。専門家による財務・法務・税務・事業調査を行います。
4つの方法を同じ項目で比較する
投資額、収益源、想定期間、分配頻度、最悪損失、追加資金、投資家の関与、情報開示、換金方法、為替、法務・税務を同じ表にします。利回りの数字だけを横に並べません。
不動産の安定性と事業投資の成長性を単純化せず、案件ごとの運営者、契約、資産、顧客、キャッシュフローを確認します。
安心・安全を言葉ではなく確認手順で示す
法人・代表者、資金使途、財務、銀行口座、契約相手、権利、担保、許認可、関連当事者、利益相反、反社会的勢力、訴訟、税務を確認します。資料が不足する場合は契約を急ぎません。
勧誘者の登録要否、取引スキーム、送金経路を日本・台湾の専門家と確認します。「必ず儲かる」「元本保証」「限定」を理由に判断を急がせる提案は避けます。
台湾投資家が相談前に整理する条件
投資可能額と通貨、期間、必要分配、許容損失、経営参加、希望業種、日本での訪問頻度、退出時期を整理します。台湾からの送金、対外投資、税務も台湾側専門家へ確認します。
SERENSEEDは候補情報と確認項目を整理し、必要に応じて日本側の登録事業者・専門家と連携します。金融商品取引、媒介、法務、税務等の資格が必要な業務を無資格で行うものではありません。
投資方法を比較する前に決めること
- 投資可能額・通貨・送金時期
- 希望期間と必要な分配
- 許容できる最大損失
- 不動産・企業・特定事業の優先
- 経営参加の可否と提供できる価値
- 必要な情報開示と報告頻度
- 希望する退出方法と時期
- 日台の法務・税務確認体制
費用を左右する主な項目
- 候補案件の調査・情報整理
- 法務・財務・税務の専門家確認
- 契約・送金・保有体制
- 投資後の運営・報告体制
よくあるご質問
日本で年8%の投資案件はありますか?
案件により想定される場合はありますが、高い収益には相応の運営・信用・換金・元本損失リスクがあります。8%を保証するものではなく、収益の根拠を個別に確認します。
不動産と事業投資のどちらが安全ですか?
対象と契約で異なります。不動産にも空室・修繕・価格下落があり、事業投資には業績・経営・換金リスクがあります。同じ確認項目で比較してください。
台湾から日本へ送金すればすぐ投資できますか?
いいえ。投資形態、本人・法人確認、契約、登録、銀行、台湾の対外投資・税務、日本の規制を事前に専門家へ確認する必要があります。
SERENSEEDは投資元本や利益を保証しますか?
いいえ。元本、利回り、分配、売却価格は保証しません。候補情報と確認事項を整理し、資格が必要な業務は登録事業者・専門家と連携します。
確認先・参考情報
制度や輸出入条件は変更されるため、実際の手続きでは各機関・専門事業者の最新情報をご確認ください。