公開・更新日:2026年07月29日

台湾企業が日本の商品を法人購入する方法

台湾企業による日本商品の購入では、「代金を支払えるか」だけでなく、誰が購入者・輸出者・輸入者になるか、請求書と通関書類の名義が一致するか、日本の消費税と台湾の輸入税をどう扱うかを発注前に決める必要があります。海外送金だけを先に実行すると、商品が国内倉庫で止まる、輸出書類を作れない、税額を誤解するなどの問題が起こり得ます。

執筆

KEI TAKAHASHI 株式会社SERENSEED 代表取締役。日本の上場半導体専門商社で台湾製Wi-Fiチップの日本大手メーカーへの導入を推進し、台湾ではTIL spaceを創業。
SERENSEED事業イメージ
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この記事の結論

  • 支払い、国内購入、輸出、台湾輸入を一つの取引図にして、各社の役割を決める
  • 日本の消費税は海外企業の購入だから自動的に免税になるわけではなく、輸出取引と証明書類で判断する
  • 見積書・請求書・Invoice・Packing List・送金額を一致させ、台湾到着時の税費まで予算化する

代表的な取引方法の違い

取引方法日本側の役割台湾側の役割発注前の確認
日本企業が直接輸出販売・請求・輸出を担当輸入者として通関・納税輸出対応、輸出免税の証憑、Incoterms
日本の調達会社が購入・輸出国内購入、検品、輸出を分担調達依頼、輸入、台湾での会計処理販売許可、手数料、所有権、保証
日本国内納品後に物流会社が輸出販売会社は国内販売、物流会社は輸出実務購入条件の承認、輸入、納税実際の輸出者、Invoice名義、消費税

最初に取引の4者と商品移動を図にする

販売会社、購入者、輸出者、台湾側輸入者を並べ、見積、請求、支払い、国内納品、輸出申告、台湾輸入、最終配送を誰が担当するか記録します。同じ会社が複数の役割を担う場合も、契約上の役割は分けて確認します。

商品URL、型番、数量、用途、台湾の納品先、希望納期を一つの案件資料にまとめます。メーカーが海外販売・転売を認めない商品や、台湾で許可・検査が必要な商品は、決済方法があっても取引を進められない場合があります。

日本企業が受け取れる支払い方法を確認する

海外企業との契約可否、外貨・日本円の海外送金可否、日本国内口座からの振込可否、カード決済可否を分けて質問します。海外送金が不可でも、日本国内の正規な購入者への販売が可能な場合は、調達会社を介した取引を検討できます。

通貨、振込手数料、中継銀行手数料、販売会社が受け取る正味額、支払期限、返金時の通貨と手数料を確認します。SERENSEEDは銀行送金、外貨交換、資金移動の代行は行いません。

見積書・請求書に必要な情報をそろえる

会社名・住所、商品名、型番、数量、単価、税区分、国内送料、納期、支払条件、保証、見積有効期限を確認します。台湾側の会計処理に必要な宛名や統一編號の記載可否も、発注前に会計担当者へ確認します。

日本語の見積書、商業Invoice、Packing Listで商品名・数量・金額が変わる場合は、その理由を追跡できるようにします。値引き、調達手数料、梱包費、運賃を商品価格へ混在させず、項目を分けると通関価格を説明しやすくなります。

日本の消費税は「海外企業だから免税」ではない

日本国内の商品販売は原則として消費税の対象です。一方、国内からの輸出として行われる資産の譲渡は、要件と証明書類を満たす場合に輸出免税となります。海外法人名義で購入したことだけでは免税を判断できません。

誰が実際の輸出者で、輸出許可書等を誰が保存するかを確認します。日本国内の別会社へ納品した時点で販売会社の取引が完了する場合は、その販売会社の売上が輸出免税になるとは限りません。税務処理は販売会社・調達会社の税理士へ確認します。

台湾到着時の関税・營業稅を見積もる

台湾の完税価格は一般にFOB価格へ運賃と保険料を加えたCIFを基礎とし、品目別の関税、必要に応じた貨物税等、進口營業稅、通関・倉庫・配送費を確認します。台湾財政部關務署は、進口營業稅を完税価格と関税等を基礎に計算する方式を案内しています。

HS/CCC Code、材質、用途、原産国、輸入者資格により税率や許可が変わります。商品代金へ一律の割合を掛けるだけでは総額にならないため、型番と仕様を基に台湾側の通関業者へ確認します。

送金額と通関申告額の根拠を残す

銀行送金控え、販売会社の請求書、調達会社の請求内訳、輸出Invoice、輸入申告の価格を対応づけます。支払者と購入者が異なる、商品代金と手数料を合算する、複数店舗の商品をまとめる場合は関係を説明する資料が必要です。

実際の取引価格と異なる金額、無償扱い、過度に低い申告は避けます。サンプルや無償提供品でも、通関上の価格根拠と用途を確認します。

保証・返品・不良品の費用負担を決める

日本国内保証のみか、台湾からの返品を受け付けるか、国際送料・関税・再輸入費を誰が負担するかを確認します。電気製品、家具、設備は台湾で修理部品を入手できるかも購入判断に含めます。

出荷前検品の範囲、梱包写真、型番ラベル、数量、外装状態を記録し、輸送保険の対象と免責を確認します。到着後の検品期限と連絡方法を決めておくと責任の切り分けが容易になります。

発注前の可否判定を一枚にまとめる

商品規制、販売許可、購入者、輸出者、輸入者、支払方法、税区分、必要書類、輸送、保証の各項目を「確認済み・条件付き・未確認」で管理します。未確認項目が残る場合は、入金前に誰がいつ確認するかを決めます。

SERENSEEDでは商品情報と日本企業からの回答を基に、正規の購入・調達・輸出として成立するかを整理します。税務、許認可、法務の判断が必要な場合は、税理士、通関業者、行政機関などの確認を前提に進めます。

法人購入の相談時にそろえる情報

  • 商品URL・型番・仕様書
  • 数量・用途・販売予定の有無
  • 日本企業の見積書・回答文
  • 請求書に必要な台湾法人情報
  • 希望する支払通貨・期限
  • 日本側購入者・輸出者の候補
  • 台湾側輸入者と納品先
  • 希望納期と輸送方法
  • 保証・返品の希望条件
  • 台湾側通関・会計担当者

費用を左右する主な項目

  • 商品代金と日本国内送料
  • 輸出用梱包・通関書類
  • 国際輸送と保険
  • 台湾側の税金・通関・最終配送

よくあるご質問

台湾企業が買えば日本の消費税は必ず免税ですか?

いいえ。海外法人名義だけでは決まりません。取引が日本からの輸出に該当するか、実際の輸出者と輸出許可書等の保存要件を満たすかを日本側事業者が確認します。

日本企業が海外送金を受け取れない場合も購入できますか?

日本国内の正規取引が可能で、メーカーの販売方針と輸出入条件を満たす場合は、調達会社を介した方法を検討できます。必ず購入できるわけではありません。

台湾の進口營業稅は商品価格の5%ですか?

単純に商品価格だけへ5%を掛ける計算ではありません。完税価格、関税、貨物税等を基礎に計算されるため、商品と輸送条件を基に台湾税関・通関業者へ確認します。

SERENSEEDは送金や税務申告も代行しますか?

銀行送金、外貨交換、税務申告の代行は行いません。購入・調達・輸出の取引設計と関係事業者の調整を行い、専門判断は資格者・主管機関へつなぎます。

確認先・参考情報

制度や輸出入条件は変更されるため、実際の手続きでは各機関・専門事業者の最新情報をご確認ください。